真面目につくりこんだやつ。
Bergger Pancro 400 と Adox Silvermax の組み合わせが良いって本当なん?
どうも、キムです。
銀塩写真。それは深淵。オトモのフィルムと現像液を探す旅はまだ序章です。
目次
物は試し
モノクロ前々回、新たなステージへ進むためにフィルムはRolleiのRetro 80sを選び、現像液にはAdoxのFX-39IIを設定してみました。
www.film-photo-daigakusei.work
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今回は題の通り、BerggerのPancro 400で撮影して、AdoxのSilvermax現像液で現像してみました。
Bergger Pancro400
公称感度200から400くらいのフィルムを探していました。
その中で目を付けたのがこのフィルムです。どの記事で見たか忘れたんですが、「このフィルムはプリントするために開発された」みたいなことが書いてあるのを読みました。それで僕は単純なので「カッケー」って笑。さらにSilversaltさんには、
ファインアートフォトグラフィのための高品質フィルム!
って書いてあり、これまた「カッケー」と笑。
そしてSilversaltさんには
シルバーマックス現像液の使用で、特に美しい結果が期待できますよ。
と記載が。「マジ?」ってなりません?笑。だってSilvermax現像液って、Silvermaxフィルム専用現像液って感じがしませんか?これで本当に良い画になったら発見ですよね。SilversaltのTimさん、すげーってなりますよね笑。
そういった訳で、実践することに。Pancro 400は売り切れていたので、B&Hで買うことに。Silvermax現像液はSilversaltさんで買いました。
さて、実はこのフィルム、下馬評があまり良くない印象です。日本で買うにはあまりにも高いし、そのコストの割に写りがパッとしない。つまり軟調過ぎるし、このフィルムのキャラクターが立っていないとのこと。やはりコントラストがしっかり付いているフィルムやシャープネスが高かったり粒状性を感じないフィルムはそのキャラクターが分かりやすいですよね。それに比べるとあまり冴えない写りに感じてしまうんでしょうね。その情報が頭にあったので、撮影時にあまりにコントラストが低い状況ではY2フィルターを付けました。
悲劇
B&hでは、Pancro 400だけを買うと、送料の方が高くついてしまうので、印画紙と一緒に買いました。そしたら何と、印画紙の下敷きになっていたんですよ笑。8x10inch 100枚と5x7inch 100枚の下敷きに笑。まあまあ重いですから、開けてびっくり、開封済み笑。
いやいや、新品買ったのに開封済みって笑。日本なら返品・クレームものですよね笑。ここら辺がB&Hの性というか、避けては通れない道というか。皆さんも安いからと言って飛びついたら痛い目に合うかもしれませんので、要注意です。
Silvermax現像液
Silvermax現像液とFX-39IIを比較してみました。
色はほとんど変わりませんが、Silvermax現像液の方が透明度が高いです。100mlで大きさは変わりません。FX-39IIは1+9で希釈することが多そうなので、すぐなくなりますが、Silvermax現像液はかなり濃縮されているので1+29なんかで使うのが多いみたいです。そのため、同じ容量でも割と使い勝手はSilvermax現像液の方が良さそうです。ただ、Silvermax現像液は100mlしか売っていないようなので、そこら辺のコスパは悪いかもしれませんね。FX-39IIは500mlでも売っていますし。
プロセッシング
まず、フィルムベースが割と厚めで、カールも強めでした。そのため、巻き取りはしやすかったです。
現像液を投入した後、最初の60秒連続攪拌、その後30秒毎に2回攪拌で11分。数字だけ見ると普通かと思っていたんですが、やってみるとけっこう忙しかったです。
さて、Bergger Pancroは平板状粒子のフィルム同様、定着時間を長めに取る必要があるそうです(恥ずかしながら新型乳剤のフィルムが定着時間長めに取ること初めて知りました。我流は怖いですね)。ということで今回、定着時間は6分取りました。
今回の廃液はすべて無色透明でした。
いいのでは!?
写真が少なくてすみません。あんまりプリントできなかったもので。
1枚目の写真はもう少しハイライトを強めればよかったですね。2枚目の写真を見てもらえれば分かると思うんですが、シャドウがけっこう粘ってるんですよ。そこらへんを潰す技術も必要そうです。まだ僕にはレベルが足りないフィルムという感じがします。
結論から言うと、個人的にあり、です。下馬評のような、薄い・柔らかすぎる・キャラクターがないみたいなことはないように感じます。確かに柔らかいですが、濃度はあるように感じますし、プリントもしやすそうです。それがフィルターワークのおかげなのか、Silvermax現像液のおかげなのか分からないところはありますが。ただ言えるは「このフィルムはプリントしてなんぼ」ということですね。ある程度柔らかい方がプリントしやすいですしね。データで作品にしたい、インスタでいいねが欲しいという目的の方は使わない方が良さそうです。
またレベルが上がったら挑戦してみたいと思います。
今日の写真
Kowa Six / Kowa 85mm f2.8
Pancro 400 @ 400 in Silvermax(1+29)
11min (60 / 30 / 2) 20℃
Ilford RC Pearl 8x10inch
スキャン : GT-X980
今日のフィルム
引用
はじめのいっぽ
このブログの管理人であるキム君の友人のいっぽです。実はいっぽっていうのは本名で、最近になってようやく自分の名前の独特なネームセンスにかっこよさを感じられるようになりました笑
僕もほんの少し写真を嗜んでいて、写真を始めてからずっとフィルムの知識しかないし、フィルムでしか撮っていない。別にデジタルが嫌いというわけではなくて、たまたま実家にあったカメラがフォトラマ90aceっていうインスタントカメラと祖父の富士フィルムtiara、それにミノルタハイマチック7っていう宇宙にも行った名誉あるカメラだっただけのことだった。それに97年生まれの僕を両親が幼少期に写してくれた写真の殆どはまだギリギリポラだったり、フィルム写真だったりしたことで、フィルムの風合いに慣れているのかもしれない。
それまで写真を撮るという行為については全然興味がなかったんだけど、なぜか小学生の時のクリスマスの日に”サンタさん”からホルガ120をプレゼントされていた。それがまた黄色いボディでもの凄く目立つの笑 それを小柄な小学生が肩からぶら下げて、はしゃいで東京タワーに行って安っぽいホルガのボディの裏蓋をペコペコいわせながら撮ってたりと、どこに行くにも連れて行ってたのを今考えると、可愛すぎるぜ、当時の俺!ってなる。ただ親に買ってもらったブローニーのフィルムを装填して撮っていたのはいいんだけど、当時の僕には撮影後の処理が分からず、行方知らずのまま何年も経ってしまった。増上寺で撮った母と祖母のツーショットを納めたネガはどこにいってしまったのだろう。。。
そんなこんなで、机の引き出しの奥底に眠っていた小学生時代のホルガのネガを発掘したのは当時大学受験が終わって、一段落していた春休みの時期だった。この頃から日常的に何かしら写真を撮っていたかもしれない。動機は曖昧なんだけど、自分の周りから無くなっていってしまうものへの焦りから写真の記録性に依存していたのだと思う。それはもちろん当時家族のことでもあったし、何より中高時代お世話になった東横線の地上の渋谷駅が無くなって、自分の原体験が失われることへの焦りも影響していた。無くなってしまうものたちの記録をしなければと何度も何度も渋谷駅に通っていたな、あの頃は。当時オリンパスXAでも撮っていたりしていたから、その現像のついでに発掘されたホルガのモノクロネガも現像することにした。現像から上がってきたホルガのネガは殆ど写っていなかった。時間が経ち過ぎているからなのか、そもそもホルガ自体がダメだった(笑)のかは今でも分からない。でもその中で二枚写っていた写真があって、僕の部屋の窓から見た景色だった。その何の変哲も無い写真は、多分当時の僕が美しいと感じて思わずシャッターを切った一枚であったはず。
そういえば記録に囚われて写真を撮っていた時期は、楽しいというよりもむしろ焦燥に駆られていたようにも思える。ホルガで撮った写真を眺めながら、あの頃の自分がもっと純粋な気持ちで写真を撮っていたことを思うと、少し泣けてきた。いつか見た映画「パターソン」の主人公もささやかな日常の中で詩を紡ぐために、あふれる美を見つけていた。きっと僕の日常にもまだまだ見つけきれていない美しさとか心に響くものがあるはずだ。
何の写真を撮っていいのか分からなくなったり、記録という要らぬ責任感で撮ってきた今までの自分に少し喝を入れてくれたホルガは、もうどこかにいってしまった。僕にとって、写真を撮る行為のはじめのいっぽのきっかけはホルガだったのかもしれない。
Pan FとFX-39IIで歩く新宿御苑
どうも、キムです。
Kowa Sixの相棒を決めかねています…。モノクロフィルムについてです。
今回はIlfordのPan F+を詰めて、新宿御苑に行ってきました。
目次
新宿御苑は盛況
休日、撮影日に当てていた日が晴れてくれたので、新宿御苑まで出かけてみました。値上がりする前に行っておきたかったですし笑。
ハクモクレンや早咲きの桜が見事に咲いてまして、大勢の方がご覧になっていました。平日にも関わらず、園内では日向ぼっこ、ピクニック、花見をしている方がいっぱいいました。
Pan F、そしてKowa Sixとの組み合わせ
Pan Fは割とどこでも売っている印象があります。ヨドバシやビックカメラなんかでも取り扱っているので、使いやすいですね(買いやすいかはもちろん別笑)。B&Hならブローニーは$6.09(3/15時点)で売っています。送料は高く付くにしても買う量や買い方を工夫すれば安く上がりますね。
今回はISO50に設定して撮影してきました。日が強かったので、そこまで苦労はしなかったです。僕はKowa Sixのスッとした気持ちのいいボケ感が好きです。なので、被写体にもよりますが、大体において絞りは2,3段しか絞らないことが多いです。そのため晴れている日にKowa Sixを使おうとすると低感度のフィルムしか使えません。つまり僕の場合、Kowa Sixと低感度は組み合わせ的にいいんですね。このPan Fも使っていて特にISO50で困りませんでした。
プロセッシング
乳剤が旧型でフィルムベースは厚めなので、やっぱり前回のRetro 80sより巻き取りやすかったです。また、乾燥が終わって取り込む時にもカールが付いていなかったです。やっぱり厚めのフィルムは取り扱いが楽ですね。
シャープさと自分の好きな粒状感を狙って、現像液は以前も紹介した、AdoxのFX-39IIを使いました。
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現像後...
現像液の廃液は、薄く透明度の高い黄色でした。ちょっと尿っぽい。前回の濃いお茶とはかなり違います。停止液の廃液も透明だったので、やはりそこまで濃い廃液じゃなさそうです。
定着から水洗で、色の入った廃液も出ませんでした。水洗のタイミングで色がだんだん薄くなると、「あ、もうそろそろだな」 って指標になっていいんですけどね。アクロスとかがそうですね。
ネガ自体は紫ベースです。この前のRetro 80sはかなり透明度の高いグレーでした。スキャンのしやすさは譲る感じですね。
仕上がりやいかに
今回は上がったネガをお店スキャンしました。ネガとスキャンデータ、あまりにも違い過ぎませんか?笑。ネガを確認する限り中間トーンも保持されていて、柔らかさも保っているんですが、スキャンデータは全体的に硬すぎます。確かにこの日は日が強かったですけど、ここまで硬くない印象です。普段お店スキャンはしないので、今回やってみて驚愕しています笑。それを前提にご覧ください〜
大木で枝も地面に着いちゃっていたので、それを撮影したんですが、背景がうるさかったですね。よくわからない写真になっちゃいました。
うーん、これも背景がうるさいですし、今となってはよくわからない写真になっちゃいました。残念。
これだけ、激しい動きのある木だったので、その激しさを表現したくてY2フィルターを付けてみました。この日はコントラストの激しい日だったので、いらなかったですかね笑。
奥に新宿の象徴ドコモタワーを置いてみました。前ボケの枝、カッコ良かったので前に置いてみたんですが、想像以上に邪魔になってしまいました。
Kowa Sixの玉ボケってこんな感じなんですね。ちょっと歪んだ玉って感じですね。でもけっこうキレイです。
仲良くなったおばちゃんです。紅豊という桜が好きみたいで、勝手に心の中で紅豊おばちゃんと呼んでいます。「撮ってもいいですか?」と聞いたら許していただけました。ウエストレベルで、ルーペを覗かないで撮影したんですが、なんだかんだいけました。歩き疲れて休んでいたみたいです。肌の感じがよく出ていますね。Pan Fの良さを垣間見ることができた気がします(気がする)。
この写真、一回スキャンしてみて、めっちゃ黒つぶれ。ネガは潰れている感じないんですよ。それで同じ写真をもう一度スキャンし直したのがこちら。
グレーなんですよ。うーん、SP-3000のスキャンと言えど精度に関しては微妙ですね。
まとめ
今回は、Pan F+を詰めて新宿御苑に行ってみました。その後FX-39IIで現像して、お店でSP-3000スキャン。やっぱりフロンティアの調整が入るので、スキャンも微妙だなと思いました。結局、スキャンデータはプリントするための(ないしはネガを管理するための)補助でしかないな、と。スキャンデータを本格的に利用するにはちょっと工夫が必要だし、それをするのは白黒銀塩の楽しみを知っている人からすれば本末転倒でしかないですし。ベタ焼きもあると便利ですし、単純に良いもんです。もったいないのはデータ化して微妙でそのネガが日の目を見ず、でも意外とネガ自体は良くてプリントしたらしっかり語ってくれるとき。こうなったらもったいないですよね。だからデータ化するだけでなくネガを見る癖をつけたほうが良さそうです。今回のネガも見てる感じ、スキャンデータみたいに硬すぎていないので、全然プリントも難しくなさそうです。
あー、プリントしたい笑。
ISO50のフィルムをコントラスト高い日に撮影して、50で現像しているので、硬調過ぎました。25で撮影・現像してもいいなと思いました。また、Pan Fの絵画的美しさを活かすにはコントラストが高過ぎたかな、とも思います。もうすこし軟調に、トーンの美しい写真が好きですし、Pan Fの持ち味を伸ばすにはそうした方が良さそうです。でもISO25のデータがSilversaltさんにも、The dev massive chartさんにもないので、自分で見つけるしかないですね笑。
モノクロームな深淵を彷徨う旅はまだまだ続きそうです。納得するネガをつくって、ニヤニヤしたいもんですね。
今回の写真
Kowa Six / Kowa 85mm f2.8
Pan F+@50 in FX-39II(1+9)
5.5min (20 / 60 / 4) 20℃
スキャン : Fujifilm SP-3000
今回のフィルム
Ilford Pan F Plus Camera Film Black and White 135/36 1 Reel
- 出版社/メーカー: ElectricalCentre
- 発売日: 2010/07/01
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Ilford Pan F Plus Camera Film Black and White 120 1 Reel
- 出版社/メーカー: ElectricalCentre
- メディア: Camera
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The Darkroom Internationalでプリントしてきた
プリントあれこれ
こんな感じでつくってみました。
いかがですか?
モノクロ写真の現像とプリント―モノクロ写真をより楽しむためのフィルム現像と引伸しプリントのすべて (シリーズ日本カメラ)
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The Print (Ansel Adams Photography)
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Rollei Retro 80sをAdox FX-39Ⅱで現像した
www.film-photo-daigakusei.work
あそこに載っている写真の裏話?(現像の話)を今日はしようと思います!
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新たなステージへ
開発まで40年を要した伝説の現像液!
現像
こんな感じでやってみました。
今回のフィルム
Kowa Sixで試写!Rollei Retro 80s編!
www.film-photo-daigakusei.work
今回はモノクロ編です。
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本編
代々木公園の河津桜をバックに撮りました。銀色の外箱がおしゃれですね。
ちょっと紙みたいな質感で、無地のビニール袋でした。
フィルム自体はこんな感じで、Kodakのフィルムに近い仕様ですね。あれ、フジのフィルムと違って開けにくくないですか?笑。シールが剥がれにくくて笑。
撮影しているところをパートナーが撮ってくれました。周りからしたら「あの人、何撮ってるんだろう」って感じですよね笑。
枝ぶりもシャープですね。噴水も繊細に水しぶきが写っています。池もツヤ感となめらかな描写ができていると思います。
他サイトを見てみる
と記載があります。柔らかな光や曇天下での階調に目を見張るものがあります。
kawauso.biz確かにその通りだと思いました。
そして同じく”ハイコントラスト”とも記載があります。
Retro80Sは、ミドルトーンのコントラストが高いため、
ミドルトーンのコントラストが低いシーンの撮影に最適です。
www.silversalt.jp今回は曇りだったので、コントラストの高い状況で撮影できませんでした。次回使えるようなタイミングがあればまた紹介します!
そして教科書的存在、東京オルタナ写真部さん。
tokyoaltphoto.com「伝統のアグファを引き継ぐ超正統派フィルム」というカテゴリに収められています。
なだらかな階調と美しい粒子。クラシックなトーンが印象的なフィルムです。
まとめ
今回の写真
今回のフィルム
190416追記
どうやらSilversaltさんの方で、Retro 80sの紹介文が誤っていたようです。引用文とまとめの文章を修正しておきました。