Bergger Pancro 400 と Adox Silvermax の組み合わせが良いって本当なん?

どうも、キムです。

銀塩写真。それは深淵。オトモのフィルムと現像液を探す旅はまだ序章です。

 

目次

 

物は試し


モノクロ前々回、新たなステージへ進むためにフィルムはRolleiのRetro 80sを選び、現像液にはAdoxのFX-39IIを設定してみました。

www.film-photo-daigakusei.work

 

www.film-photo-daigakusei.work

今回は題の通り、BerggerのPancro 400で撮影して、AdoxのSilvermax現像液で現像してみました。

 

Bergger Pancro400


公称感度200から400くらいのフィルムを探していました。
その中で目を付けたのがこのフィルムです。どの記事で見たか忘れたんですが、「このフィルムはプリントするために開発された」みたいなことが書いてあるのを読みました。それで僕は単純なので「カッケー」って笑。さらにSilversaltさんには、

ファインアートフォトグラフィのための高品質フィルム!

って書いてあり、これまた「カッケー」と笑。
そしてSilversaltさんには

シルバーマックス現像液の使用で、特に美しい結果が期待できますよ。


と記載が。「マジ?」ってなりません?笑。だってSilvermax現像液って、Silvermaxフィルム専用現像液って感じがしませんか?これで本当に良い画になったら発見ですよね。SilversaltのTimさん、すげーってなりますよね笑。
そういった訳で、実践することに。Pancro 400は売り切れていたので、B&Hで買うことに。Silvermax現像液はSilversaltさんで買いました。
さて、実はこのフィルム、下馬評があまり良くない印象です。日本で買うにはあまりにも高いし、そのコストの割に写りがパッとしない。つまり軟調過ぎるし、このフィルムのキャラクターが立っていないとのこと。やはりコントラストがしっかり付いているフィルムやシャープネスが高かったり粒状性を感じないフィルムはそのキャラクターが分かりやすいですよね。それに比べるとあまり冴えない写りに感じてしまうんでしょうね。その情報が頭にあったので、撮影時にあまりにコントラストが低い状況ではY2フィルターを付けました。
 

悲劇


B&hでは、Pancro 400だけを買うと、送料の方が高くついてしまうので、印画紙と一緒に買いました。そしたら何と、印画紙の下敷きになっていたんですよ笑。8x10inch 100枚と5x7inch 100枚の下敷きに笑。まあまあ重いですから、開けてびっくり、開封済み笑。

 

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 いやいや、新品買ったのに開封済みって笑。日本なら返品・クレームものですよね笑。ここら辺がB&Hの性というか、避けては通れない道というか。皆さんも安いからと言って飛びついたら痛い目に合うかもしれませんので、要注意です。

 

Silvermax現像液


Silvermax現像液とFX-39IIを比較してみました。

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色はほとんど変わりませんが、Silvermax現像液の方が透明度が高いです。100mlで大きさは変わりません。FX-39IIは1+9で希釈することが多そうなので、すぐなくなりますが、Silvermax現像液はかなり濃縮されているので1+29なんかで使うのが多いみたいです。そのため、同じ容量でも割と使い勝手はSilvermax現像液の方が良さそうです。ただ、Silvermax現像液は100mlしか売っていないようなので、そこら辺のコスパは悪いかもしれませんね。FX-39IIは500mlでも売っていますし。

 

プロセッシング


まず、フィルムベースが割と厚めで、カールも強めでした。そのため、巻き取りはしやすかったです。
現像液を投入した後、最初の60秒連続攪拌、その後30秒毎に2回攪拌で11分。数字だけ見ると普通かと思っていたんですが、やってみるとけっこう忙しかったです。
さて、Bergger Pancroは平板状粒子のフィルム同様、定着時間を長めに取る必要があるそうです(恥ずかしながら新型乳剤のフィルムが定着時間長めに取ること初めて知りました。我流は怖いですね)。ということで今回、定着時間は6分取りました。

 

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現像液の廃液

今回の廃液はすべて無色透明でした。

 

いいのでは!?

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写真が少なくてすみません。あんまりプリントできなかったもので。

1枚目の写真はもう少しハイライトを強めればよかったですね。2枚目の写真を見てもらえれば分かると思うんですが、シャドウがけっこう粘ってるんですよ。そこらへんを潰す技術も必要そうです。まだ僕にはレベルが足りないフィルムという感じがします。
結論から言うと、個人的にあり、です。下馬評のような、薄い・柔らかすぎる・キャラクターがないみたいなことはないように感じます。確かに柔らかいですが、濃度はあるように感じますし、プリントもしやすそうです。それがフィルターワークのおかげなのか、Silvermax現像液のおかげなのか分からないところはありますが。ただ言えるは「このフィルムはプリントしてなんぼ」ということですね。ある程度柔らかい方がプリントしやすいですしね。データで作品にしたい、インスタでいいねが欲しいという目的の方は使わない方が良さそうです。

 またレベルが上がったら挑戦してみたいと思います。

今日の写真


Kowa Six / Kowa 85mm f2.8
Pancro 400 @ 400 in Silvermax(1+29)
11min (60 / 30 / 2) 20℃
Ilford RC Pearl 8x10inch
スキャン : GT-X980

 

今日のフィルム
BERGGER Pancro 400 白黒フィルム 120 3本

BERGGER Pancro 400 白黒フィルム 120 3本

 

 

引用

www.silversalt.jp

はじめのいっぽ

このブログの管理人であるキム君の友人のいっぽです。実はいっぽっていうのは本名で、最近になってようやく自分の名前の独特なネームセンスにかっこよさを感じられるようになりました笑

僕もほんの少し写真を嗜んでいて、写真を始めてからずっとフィルムの知識しかないし、フィルムでしか撮っていない。別にデジタルが嫌いというわけではなくて、たまたま実家にあったカメラがフォトラマ90aceっていうインスタントカメラと祖父の富士フィルムtiara、それにミノルタハイマチック7っていう宇宙にも行った名誉あるカメラだっただけのことだった。それに97年生まれの僕を両親が幼少期に写してくれた写真の殆どはまだギリギリポラだったり、フィルム写真だったりしたことで、フィルムの風合いに慣れているのかもしれない。

それまで写真を撮るという行為については全然興味がなかったんだけど、なぜか小学生の時のクリスマスの日に”サンタさん”からホルガ120をプレゼントされていた。それがまた黄色いボディでもの凄く目立つの笑 それを小柄な小学生が肩からぶら下げて、はしゃいで東京タワーに行って安っぽいホルガのボディの裏蓋をペコペコいわせながら撮ってたりと、どこに行くにも連れて行ってたのを今考えると、可愛すぎるぜ、当時の俺!ってなる。ただ親に買ってもらったブローニーのフィルムを装填して撮っていたのはいいんだけど、当時の僕には撮影後の処理が分からず、行方知らずのまま何年も経ってしまった。増上寺で撮った母と祖母のツーショットを納めたネガはどこにいってしまったのだろう。。。

そんなこんなで、机の引き出しの奥底に眠っていた小学生時代のホルガのネガを発掘したのは当時大学受験が終わって、一段落していた春休みの時期だった。この頃から日常的に何かしら写真を撮っていたかもしれない。動機は曖昧なんだけど、自分の周りから無くなっていってしまうものへの焦りから写真の記録性に依存していたのだと思う。それはもちろん当時家族のことでもあったし、何より中高時代お世話になった東横線の地上の渋谷駅が無くなって、自分の原体験が失われることへの焦りも影響していた。無くなってしまうものたちの記録をしなければと何度も何度も渋谷駅に通っていたな、あの頃は。当時オリンパスXAでも撮っていたりしていたから、その現像のついでに発掘されたホルガのモノクロネガも現像することにした。現像から上がってきたホルガのネガは殆ど写っていなかった。時間が経ち過ぎているからなのか、そもそもホルガ自体がダメだった(笑)のかは今でも分からない。でもその中で二枚写っていた写真があって、僕の部屋の窓から見た景色だった。その何の変哲も無い写真は、多分当時の僕が美しいと感じて思わずシャッターを切った一枚であったはず。

そういえば記録に囚われて写真を撮っていた時期は、楽しいというよりもむしろ焦燥に駆られていたようにも思える。ホルガで撮った写真を眺めながら、あの頃の自分がもっと純粋な気持ちで写真を撮っていたことを思うと、少し泣けてきた。いつか見た映画「パターソン」の主人公もささやかな日常の中で詩を紡ぐために、あふれる美を見つけていた。きっと僕の日常にもまだまだ見つけきれていない美しさとか心に響くものがあるはずだ。

何の写真を撮っていいのか分からなくなったり、記録という要らぬ責任感で撮ってきた今までの自分に少し喝を入れてくれたホルガは、もうどこかにいってしまった。僕にとって、写真を撮る行為のはじめのいっぽのきっかけはホルガだったのかもしれない。

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HOLGA120GCFN

 

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HOLGA120GCFN

 

Pan FとFX-39IIで歩く新宿御苑

どうも、キムです。

Kowa Sixの相棒を決めかねています…。モノクロフィルムについてです。

今回はIlfordのPan F+を詰めて、新宿御苑に行ってきました。

 

目次

 

新宿御苑は盛況


休日、撮影日に当てていた日が晴れてくれたので、新宿御苑まで出かけてみました。値上がりする前に行っておきたかったですし笑。

 

www.env.go.jp

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ハクモクレンや早咲きの桜が見事に咲いてまして、大勢の方がご覧になっていました。平日にも関わらず、園内では日向ぼっこ、ピクニック、花見をしている方がいっぱいいました。

 

Pan F、そしてKowa Sixとの組み合わせ

Pan Fは割とどこでも売っている印象があります。ヨドバシやビックカメラなんかでも取り扱っているので、使いやすいですね(買いやすいかはもちろん別笑)。B&Hならブローニーは$6.09(3/15時点)で売っています。送料は高く付くにしても買う量や買い方を工夫すれば安く上がりますね。
今回はISO50に設定して撮影してきました。日が強かったので、そこまで苦労はしなかったです。僕はKowa Sixのスッとした気持ちのいいボケ感が好きです。なので、被写体にもよりますが、大体において絞りは2,3段しか絞らないことが多いです。そのため晴れている日にKowa Sixを使おうとすると低感度のフィルムしか使えません。つまり僕の場合、Kowa Sixと低感度は組み合わせ的にいいんですね。このPan Fも使っていて特にISO50で困りませんでした。

 

プロセッシング

乳剤が旧型でフィルムベースは厚めなので、やっぱり前回のRetro 80sより巻き取りやすかったです。また、乾燥が終わって取り込む時にもカールが付いていなかったです。やっぱり厚めのフィルムは取り扱いが楽ですね。
シャープさと自分の好きな粒状感を狙って、現像液は以前も紹介した、AdoxのFX-39IIを使いました。

www.film-photo-daigakusei.work

 現像後...

 

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現像液の廃液は、薄く透明度の高い黄色でした。ちょっと尿っぽい。前回の濃いお茶とはかなり違います。停止液の廃液も透明だったので、やはりそこまで濃い廃液じゃなさそうです。
定着から水洗で、色の入った廃液も出ませんでした。水洗のタイミングで色がだんだん薄くなると、「あ、もうそろそろだな」 って指標になっていいんですけどね。アクロスとかがそうですね。
ネガ自体は紫ベースです。この前のRetro 80sはかなり透明度の高いグレーでした。スキャンのしやすさは譲る感じですね。

 

仕上がりやいかに

今回は上がったネガをお店スキャンしました。ネガとスキャンデータ、あまりにも違い過ぎませんか?笑。ネガを確認する限り中間トーンも保持されていて、柔らかさも保っているんですが、スキャンデータは全体的に硬すぎます。確かにこの日は日が強かったですけど、ここまで硬くない印象です。普段お店スキャンはしないので、今回やってみて驚愕しています笑。それを前提にご覧ください〜

 

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大木で枝も地面に着いちゃっていたので、それを撮影したんですが、背景がうるさかったですね。よくわからない写真になっちゃいました。

 

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うーん、これも背景がうるさいですし、今となってはよくわからない写真になっちゃいました。残念。

 

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これだけ、激しい動きのある木だったので、その激しさを表現したくてY2フィルターを付けてみました。この日はコントラストの激しい日だったので、いらなかったですかね笑。

 

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奥に新宿の象徴ドコモタワーを置いてみました。前ボケの枝、カッコ良かったので前に置いてみたんですが、想像以上に邪魔になってしまいました。

 

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Kowa Sixの玉ボケってこんな感じなんですね。ちょっと歪んだ玉って感じですね。でもけっこうキレイです。

 

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仲良くなったおばちゃんです。紅豊という桜が好きみたいで、勝手に心の中で紅豊おばちゃんと呼んでいます。「撮ってもいいですか?」と聞いたら許していただけました。ウエストレベルで、ルーペを覗かないで撮影したんですが、なんだかんだいけました。歩き疲れて休んでいたみたいです。肌の感じがよく出ていますね。Pan Fの良さを垣間見ることができた気がします(気がする)。

 

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この写真、一回スキャンしてみて、めっちゃ黒つぶれ。ネガは潰れている感じないんですよ。それで同じ写真をもう一度スキャンし直したのがこちら。

 

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グレーなんですよ。うーん、SP-3000のスキャンと言えど精度に関しては微妙ですね。

 

まとめ

今回は、Pan F+を詰めて新宿御苑に行ってみました。その後FX-39IIで現像して、お店でSP-3000スキャン。やっぱりフロンティアの調整が入るので、スキャンも微妙だなと思いました。結局、スキャンデータはプリントするための(ないしはネガを管理するための)補助でしかないな、と。スキャンデータを本格的に利用するにはちょっと工夫が必要だし、それをするのは白黒銀塩の楽しみを知っている人からすれば本末転倒でしかないですし。ベタ焼きもあると便利ですし、単純に良いもんです。もったいないのはデータ化して微妙でそのネガが日の目を見ず、でも意外とネガ自体は良くてプリントしたらしっかり語ってくれるとき。こうなったらもったいないですよね。だからデータ化するだけでなくネガを見る癖をつけたほうが良さそうです。今回のネガも見てる感じ、スキャンデータみたいに硬すぎていないので、全然プリントも難しくなさそうです。
あー、プリントしたい笑。

 

ISO50のフィルムをコントラスト高い日に撮影して、50で現像しているので、硬調過ぎました。25で撮影・現像してもいいなと思いました。また、Pan Fの絵画的美しさを活かすにはコントラストが高過ぎたかな、とも思います。もうすこし軟調に、トーンの美しい写真が好きですし、Pan Fの持ち味を伸ばすにはそうした方が良さそうです。でもISO25のデータがSilversaltさんにも、The dev massive chartさんにもないので、自分で見つけるしかないですね笑。

モノクロームな深淵を彷徨う旅はまだまだ続きそうです。納得するネガをつくって、ニヤニヤしたいもんですね。

 

今回の写真

Kowa Six / Kowa 85mm f2.8
Pan F+@50 in FX-39II(1+9)
5.5min (20 / 60 / 4) 20℃
スキャン : Fujifilm SP-3000

 

今回のフィルム

 

 

Ilford Pan F Plus Camera Film Black and White 135/36 1 Reel

Ilford Pan F Plus Camera Film Black and White 135/36 1 Reel

 

 

 

Ilford Pan F Plus Camera Film Black and White 120 1 Reel

Ilford Pan F Plus Camera Film Black and White 120 1 Reel

 

 

The Darkroom Internationalでプリントしてきた

どうも、キムです。
 
現像に続き、The Darkroom Internationalでプリントしてきた話を今回はしようと思います。
 
 目次

 

プリントあれこれ
プリントは、大学の暗室でも良いんですが、設備なんかは断然レンタル暗室の方が良いです。
The Darkroom Internationalさんに行きました。

thedarkroom-int.com

ここの初心者講習会で僕は暗室デビューをしました。
The Darkroom Internationalさんは本当に設備が揃っています。そして純粋にプリントをするだけでいいので、思う存分プリントできます。
もちろん自分の懐と要相談ですが笑。
講師の方もいらして相談もできるので、刺激的なプリントを楽しめます。
 
今回は、友人が暗室デビューということで、連れて行きました。
彼が初心者講習会で、僕は通常の暗室利用という形です。
彼も面白いので、このブログに出てくると思います!
 
講師の方に教えていただいたんですが(僕もちょっと初心者講習会みたいになった笑)、6x6って真ん中にプリントすると下がって見えるんですね。
人間の錯覚ということになると思うんですが。いかに真ん中に置いても下がって見えるらしいですね。
それで6x6をプリントする際は、上側にプリントして、下に余白をつくるんだそうです。
 
講師の加藤さんにもお手伝い・アドバイスをいただきながらいくつかプリントしてみました。
 

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左 : 僕 / 右 : 加藤さん
この写真、右上に横の枝が入り込んでいました。
撮影した時には気づきませんでした。それでプリントするときにいらないので、加藤さんに相談しました。
はじめ、僕が取ろうとした作戦はトリミングです。そうすれば物理的に右上の枝は映りません。
しかしそうすると左か下が詰まることになるので、画に広がりがなくなり、写真として微妙になることが想像できました。
そこでいただいた助言は「覆って、目立たなくする」方法です。
覆って隠すことは簡単なのですが、目立たなくするということがミソですね。
曇り空で背景の白は微妙に色が付いているので、もし完全に余計な枝を隠すと「なんでここだけ真っ白なの?」となるわけです。
それで、加藤さんが試しにつくってました。まず枝の部分だけ覆って、焼き込み。そのあと、絞りをf22まで深くして、拳で中心部を隠して、左上・中央上部少し・左上を焼き込みを加える。そうすると、確かに全然目立たないんですよ。技術力とか知識ってこういうことですね。
でも加藤さん曰く、おすすめはしないし邪道。粒子感がなくなるから見る人見れば変だと見破られる、とのことです。深い世界だ。
自分で写真をつくる。これがやっぱり銀塩写真の楽しみですよね。
 

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額に入れてみた
¥500くらいの安い額なんですけど、やっぱり額に入れるとまたいいですね。
チラチラ見てはニヤニヤしています笑。
 
またプリントしに行きたい。いいネガを溜め込んで、印画紙を買ったらまた行こうと思います。
The Darkroom Internationalさん、おすすめです。
 
こんな感じでつくってみました。
木肌
f11 / 3号 / 2.4sec
 
噴水池
f11 / 2.5号 / 3.3sec
 
いかがですか?

 

 

 

The Print (Ansel Adams Photography)

The Print (Ansel Adams Photography)

 

 

Rollei Retro 80sをAdox FX-39Ⅱで現像した

どうも、キムです。
 
先日のモノクロ試写編の続きです。

 

www.film-photo-daigakusei.work

 あそこに載っている写真の裏話?(現像の話)を今日はしようと思います!

 

目次

 

新たなステージへ
Kowa Sixを譲っていただいてから、新しい試みをしようと思っていました。
新たなカメラを手にした状態で、使ったことのないフィルムや、使ったことのない現像液、現像方法などに挑戦して、自分なりの表現や世界観をつくれたらな、と。
それでフィルムをRollei Retro 80sに設定し、現像液にAdox FX-39II をチョイスしてみました。
きっかけは、完全にSilversaltさんです。いつもありがとうございます。

www.silversalt.jp

FX-39IIが「ビギナー向けおすすめ現像液3選」に入っていて、以前から気になっていました。
技術や知識が伴っていないのに「もう俺はビギナーじゃねぇ!」ってほざいているの、ダサいですしね。
それで、FX-39IIのページを読むじゃないですか。そしたらそこにこう書いてあるんですよ。

 開発まで40年を要した伝説の現像液!

 

「それ、どんなもんよ!笑」ってなりません?笑
それで試したくなっちゃって、そのままGo!です笑。
作例にはRetro 400sが載っていましたが、僕はロースピードの方が好みなので、80sにしたというわけです。
 
現像
フィルムをダークバックの中で取り出して、リールに巻くの、ちょっと難しかったです。というのもフィルムベースがかなり薄かったからです。
Tri-Xの方がやはりベースが厚く、その分、巻きつけるのは簡単ですね。
それが終われば、現像プロセスということになります。
 

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FX-39II外観
現像液はこれですね。今回テストということで、小瓶の100mlの方を買いました。大体タバコのボックスサイズくらいですね。
現像するときに気づいたんですけど、希釈が1+9で、ブローニー現像は500mlの処方液が必要なので、半分の50mlも一回で使うんですね。
もうあと一回分しか残っていません笑。
 
液体タイプは便利ですね。
今まで粉末タイプの現像液しか使ってこなかったので、その便利さに驚愕しました。
そもそも粉末タイプはstock(原液)がないんですもんね。
しかも原液をつくる温度は50°とかなのに、処理温度は20°です。
だからその日につくって使うのは割に面倒なんですよね。
この便利さに慣れたら粉末タイプには戻れないです笑。
 
現像液をタンクに入れて、攪拌の8分が終わって、廃液を出してみたんですけど...
 

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廃液(現像液)
こんな色。これまで現像も割とやってる方だと思うんですが、ここまで色出たのは初めてだったので、びっくりしました。
しかも、停止液にもうつるくらいなんですよね。
 

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廃液(停止液)
そう考えると、けっこう濃い現像液の廃液ですよね。
もろもろあって、無事、現像が終わりました。
 
次の日、取り込もうとしたら、かなりカールが激しかったです。
急にネガを乾燥させるとカールしてしまうと聞いて、お風呂沸かしたあとに必ず取り込むようにしています。
これまでカールさせたのはそれによってかほとんどありません。薄いフィルムだからですかね?
ベースが薄いフィルムは簡単にカールがつきがちと思い込んでしまっています。
もう少し気を付けないといけないみたいです。
 

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くるんっ
カールが激しいと、端っこのコマがプリントしにくいんですよね。今回もめっちゃ苦戦しました。
 
プリント編へ続く!
 
こんな感じでやってみました。
Rollei Retro 80s @ 50 in Adox FX-39II(1+9)
8min(30 / 60 / 3)20°
 
今回のフィルム

Kowa Sixで試写!Rollei Retro 80s編!

どうも、キムです。
 
前回の記事で、Kowa Sixのカラーフィルムの試写を載せました。

 

www.film-photo-daigakusei.work

 今回はモノクロ編です。

 

目次

 

本編
フィルムはRolleiのRetro 80sを選びました。これまでいろんなフィルム使ってきたのですが、実はこのフィルムは今回が初めてです。
「赤外フィルムなんでしょ?」みたいな先入観がずっとあったからです(実際には違う)。それを取っ払って使ってみました。
代々木公園に行ってきましたが、またあいにくの曇り笑。ホント曇りが多い...
 

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外箱

 

代々木公園の河津桜をバックに撮りました。銀色の外箱がおしゃれですね。

 

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中のビニール

 

ちょっと紙みたいな質感で、無地のビニール袋でした。

 

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フィルム

 

フィルム自体はこんな感じで、Kodakのフィルムに近い仕様ですね。あれ、フジのフィルムと違って開けにくくないですか?笑。シールが剥がれにくくて笑。

 

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Nikon FM / Micro-Nikkor 55mm f2.8 / Fujifilm C200

 

撮影しているところをパートナーが撮ってくれました。周りからしたら「あの人、何撮ってるんだろう」って感じですよね笑。

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木肌を描写する

 

それで撮った写真がこちらです。桜だと思うんですが、割と良い質感出ていませんか?個人的には気に入っています。
階調が豊かで、樹木の繊細でかつ力強い外皮を克明に描写できていると思います。構図や良い写真かどうかは棚に上げて笑。
 

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噴水池
 

枝ぶりもシャープですね。噴水も繊細に水しぶきが写っています。池もツヤ感となめらかな描写ができていると思います。

 
撮影後自宅で現像して、後日暗室に行ってプリントしてきました。その話はまたします!
この2枚はそのプリントをスキャンしたものになります。
セブンイレブンのスキャンなので、線が入ってしまっています。本物のプリントには入っていません。
190309追記 : EPSONのGT-X980でスキャンし直しました。
 
他サイトを見てみる
かわうそ商店さんでは

柔らかな光や曇天下での階調に目を見張るものがあります。

と記載があります。

kawauso.biz確かにその通りだと思いました。

そして同じく”ハイコントラスト”とも記載があります。

 

また、自家現像や自家プリントしている人なら愛用しているSilversaltさんでは

Retro80Sは、ミドルトーンのコントラストが高いため、ミドルトーンのコントラストが低いシーンの撮影に最適です。

と書かれています。
 

www.silversalt.jp今回は曇りだったので、コントラストの高い状況で撮影できませんでした。次回使えるようなタイミングがあればまた紹介します!

 

そして教科書的存在、東京オルタナ写真部さん。

tokyoaltphoto.com「伝統のアグファを引き継ぐ超正統派フィルム」というカテゴリに収められています。

なだらかな階調と美しい粒子。クラシックなトーンが印象的なフィルムです。

と紹介されていますね。
 

 

まとめ
総合して考えると面白いフィルムですよね。コントラストの弱い状況下では階調が豊かで、コントラストの強い状況下では詳細なライトとシャドウ。そして基本的になだらかな階調を有していて、粒子感も美しい。良いフィルムですね。
僕は黒がきっちりと締まっていて、白が抜けるようなハイライト、粒感が視認できる少し大きめの粒状性が好きなので、かなりアリでした!これからのメインフィルムになりそうです。
次回は現像・プリント編です!
 
今回の写真
Kowa Six / Kowa 85mm f2.8 / Rollei Retro 80s
 
今回のフィルム

 

 

 

 

 

190416追記

どうやらSilversaltさんの方で、Retro 80sの紹介文が誤っていたようです。引用文とまとめの文章を修正しておきました。