はじめまして、佳那です。

こんにちは、はじめまして。佳那です。

このブログの管理人キムくんの友人です。

私も少しフィルム写真を撮ります。

 

先日のエントリーでいっぽくんが「僕もほんの少しフィルム写真を嗜んでいます」とか言うものだから、私は話しにくくてたまりません。笑 というのも、私からしてみればいっぽくんもキムくんも雲の上の人のような存在です。私は中判はやるやるって言いながらやっていないし、(やりたいなーとは時々思うのだけどキムくんのカメラを少し持つだけでも重くて悩んじゃう。)カラーばかりだし。何よりキムくんといっぽくんは二人がフィルム写真を語る上ではパートナーのような立ち位置に見えます。私はそんな二人を後ろから見ながら、そしてキムくんに教えてもらいながらフィルム写真を撮ってきました。

 

今日はそんなフィルム写真2年生の私が何故フィルム写真を撮っているかの話をします。

 

いきなりわかりにくい話になってしまって一人で恐縮してしまうのだけど、私は自分が撮った写真に時間がちゃんと写っていないと嫌になっちゃいます。「何やってんのー」って。その「時間がちゃんと写る」というのはもちろん2019424日と刻印されるかどうかの問題ではなくて、私が感じたはずの時間の話です。例えば、風に揺れる木の葉が強い陽の光を反射した瞬間とか、いつも傍にいる人の安心できる笑顔が最も効果を発揮してる時とか、すっごい大きい木の幹の太さに何か考えちゃうような時とか。それが些細だけど二度とない瞬間でも、繰り返すように感じられる日常でも、私の手には届かないように感じられる悠久の時でも、生きている中で私という存在の外で流れる時間を好意的に感じとってしまったとき、私はそれを記録するように写真を撮っています。「生きててよかったな」と思いながら、写真を撮っています。だから私は、私が生きるに値したはずのその時間がちゃんと写っていないと「何やってんのー」と少し残念に思います。

 

私はそのように大袈裟に、生きた時間を切り取るつもりで写真を撮っています。これはきっと3年前の私にたまたま生とか死とかについて深く考える経験があったためだと思います。私以外の人にはものすごく抽象的で大袈裟に聞こえるかもしれないことも想像はつくけれど、恥ずかしいとは思わないようにしています。

 

私が生きた時間を切り取る。だから私がしようとしてる行為は不可逆です。シャッターを降ろしてしまえばそれはもう形となり消せない、コマの前後は入れ替えられない。学生のお財布の限りある枚数で撮り返しはきかないというフィルムの制約が、私により強くかつ繊細に不可逆な時間を意識させます。フィルムカメラは私にそういう前しか向けない姿勢を持たせる装置としても働いているかもしれません。

 

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2年前、私がぼんやりと写真を撮りたいな、でも私のこの写真を撮りたい気持ちってめちゃくちゃ重いらしいな(笑)って気付き始めていたとき、たまたまキムくんとキムくんのバカでかい10枚しか撮れないフィルムカメラに出会いました。大袈裟なシャッター音と、1枚撮ってはフィルムを送って、それから紙とペンでメモをとる。キムくんがフィルムカメラを扱うその姿に「これなのかも。」と思いました。出来上がった写真を見ると、光がとても柔らかくてなんとも好きな仕上がりでした。それがダメ押しでした。私は2年前、キムくんと出会ってからフィルム写真を始め、それから今もフィルム写真の知識しかありません。ですがこれはやっぱりデジタル写真批判というような話ではまったくなくて、私のこのような身体感覚をフィルム写真というスタイルが掬いとってくれている感じがするという話です。

 

写真で自己表現なんてあんまり考えたことはないし、伝えたいことには言葉が先行してしまうし、それでも上手く撮れるようにはなりたいけど、それは見たものを写す精度を上げたいということで、きっと自分の想像を超える写真は撮れない。(思ってたより綺麗に撮れていることはあっても。)

のかもしれない。だって要するに私が心血を注いでいるのはきっとフィルム写真自体ではなくて生きることそのものです。だから私の写真は芸術としてつまらないものなのかもしれない。

 

それでも私は、「うわ!」と来る度に少し慌ててシャッターを切ります。

私は私が生きるに値する世界を、そしてその世界を好意的に生きた私を、ギュッとネガに詰めたくてシャッターを切ります。そして私はこれからもそうして生きていきたいなと願っています。

 

今日は私とフィルム写真の原点に立ち返るとこんなところという話でした。

だけどこの少し大袈裟に感傷的で変わり者の私も、やっぱり本当にフィルム写真が好きで他の酔狂な大学生と同じように普通に撮れた写真を見てニヤニヤしたり、次は何を入れようとワクワクしたりしています。これからは、私が撮って誰かに見て欲しくなっちゃった写真などを静かに上げていけたらいいなと思います。

 

使っているのはNikonFMOlympus trip35です。どちらもとてもいいカメラだなあと思います。FMに付けているのはAi Micro Nikkor 55mm f/2.8sで、最近GN Auto Nikkor 45mm f/2.8も買いました。

 

それでは、また。

 

佳那

 



 

 

 

ポラで撮る

ものすごく久しぶりになってしまった。

いっぽです。

日記はおろか、ブログで自分の事を発信する事自体が初めてで戸惑いながらも、少しずつコンテンツを増やしていけたら。

 

最近自分の中でポラロイドブームが到来している。

というのもタルコフスキーのポラロイド写真集を古書店で発見してしまって、そのあまりの値段の高さに逡巡しながら、映画の世界から抜け出したようなポラの描写に魅了されていた。結局その場では買えず、今ものすごく後悔している(後で調べたらアマゾンの方がよっぽど高かったわよ!)

 

Instant Light: Tarkovsky Polaroids

Instant Light: Tarkovsky Polaroids

  • 作者: Giovanni Chiaramonte,Andrey A. Tarkovsky,Tonino Guerra
  • 出版社/メーカー: Thames & Hudson
  • 発売日: 2006/06/01
  • メディア: ペーパーバック
  • 購入: 6人 クリック: 57回
  • この商品を含むブログ (15件) を見る
 

 

そんなこんなで、(僕は形から入るタイプだから)ポラロイドカメラをネットでもお店でも物色していた。

ある時某フリマを徘徊していたら、とても興味をそそるものを見つけてしまい、購入してしまったのがこれ。

 

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てっきり初めてのポラロイドはSX−70を購入する気でいたから、この展開は意外、急転直下、嬉しいポラ地獄の始まり

手持ちのマミヤRB67のフィルムバックに取り付け、ポラロイドが撮れるというもの。ちなみにマミヤプレスでも使えるみたい。これは買い足しのフラグが立ってしまったよ。

台湾?のメーカーが出していて、どうやらインスタントラボを改造して作られたよう。

これならマミヤのレンズ資産も生かせるし、何より望遠レンズを使えば深度を生かしたポラ写真が撮れる。

なかなか意欲的な製品だと思う。

昔のポラ切りの現代版?

 

 

という事でちょこちょこ撮りました。

初めてのポラロイドフィルムははポラロイドオリジナル社のカラーフィルム。

 

ポラロイド 4676 COLOR FILM FOR SX-70

ポラロイド 4676 COLOR FILM FOR SX-70

 

 

操作方法はいたって簡単。

シャッターを切ってポラパックのボタンを押せばウィィィィンとか唸りながら吐き出されて、後は暗箱に入れて待つだけ。

最初海岸線で撮っていたのだけど、ポラの作法を知らずに、出てきた直後のポラをガン見していたから、若干色味が変な気がする。

ポラ上級者には失敗だろうけど、こういう特徴的な色味も愛おしく思える。

ますますハマりそうな予感。

そして心なしか中判レンズの恩恵でくっきり写っている気がするぞ。。。

ちなみに最後の写真だけ屋内で撮ったもので、後処理をきちんとしたらコントラストが高くなった。意外とくっきり写る。

 

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次はモノクロポラに挑戦してみたい。

Bergger Pancro 400 と Adox Silvermax の組み合わせが良いって本当なん?

どうも、キムです。

銀塩写真。それは深淵。オトモのフィルムと現像液を探す旅はまだ序章です。

 

目次

 

物は試し


モノクロ前々回、新たなステージへ進むためにフィルムはRolleiのRetro 80sを選び、現像液にはAdoxのFX-39IIを設定してみました。

www.film-photo-daigakusei.work

 

www.film-photo-daigakusei.work

今回は題の通り、BerggerのPancro 400で撮影して、AdoxのSilvermax現像液で現像してみました。

 

Bergger Pancro400


公称感度200から400くらいのフィルムを探していました。
その中で目を付けたのがこのフィルムです。どの記事で見たか忘れたんですが、「このフィルムはプリントするために開発された」みたいなことが書いてあるのを読みました。それで僕は単純なので「カッケー」って笑。さらにSilversaltさんには、

ファインアートフォトグラフィのための高品質フィルム!

って書いてあり、これまた「カッケー」と笑。
そしてSilversaltさんには

シルバーマックス現像液の使用で、特に美しい結果が期待できますよ。


と記載が。「マジ?」ってなりません?笑。だってSilvermax現像液って、Silvermaxフィルム専用現像液って感じがしませんか?これで本当に良い画になったら発見ですよね。SilversaltのTimさん、すげーってなりますよね笑。
そういった訳で、実践することに。Pancro 400は売り切れていたので、B&Hで買うことに。Silvermax現像液はSilversaltさんで買いました。
さて、実はこのフィルム、下馬評があまり良くない印象です。日本で買うにはあまりにも高いし、そのコストの割に写りがパッとしない。つまり軟調過ぎるし、このフィルムのキャラクターが立っていないとのこと。やはりコントラストがしっかり付いているフィルムやシャープネスが高かったり粒状性を感じないフィルムはそのキャラクターが分かりやすいですよね。それに比べるとあまり冴えない写りに感じてしまうんでしょうね。その情報が頭にあったので、撮影時にあまりにコントラストが低い状況ではY2フィルターを付けました。
 

悲劇


B&hでは、Pancro 400だけを買うと、送料の方が高くついてしまうので、印画紙と一緒に買いました。そしたら何と、印画紙の下敷きになっていたんですよ笑。8x10inch 100枚と5x7inch 100枚の下敷きに笑。まあまあ重いですから、開けてびっくり、開封済み笑。

 

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 いやいや、新品買ったのに開封済みって笑。日本なら返品・クレームものですよね笑。ここら辺がB&Hの性というか、避けては通れない道というか。皆さんも安いからと言って飛びついたら痛い目に合うかもしれませんので、要注意です。

 

Silvermax現像液


Silvermax現像液とFX-39IIを比較してみました。

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色はほとんど変わりませんが、Silvermax現像液の方が透明度が高いです。100mlで大きさは変わりません。FX-39IIは1+9で希釈することが多そうなので、すぐなくなりますが、Silvermax現像液はかなり濃縮されているので1+29なんかで使うのが多いみたいです。そのため、同じ容量でも割と使い勝手はSilvermax現像液の方が良さそうです。ただ、Silvermax現像液は100mlしか売っていないようなので、そこら辺のコスパは悪いかもしれませんね。FX-39IIは500mlでも売っていますし。

 

プロセッシング


まず、フィルムベースが割と厚めで、カールも強めでした。そのため、巻き取りはしやすかったです。
現像液を投入した後、最初の60秒連続攪拌、その後30秒毎に2回攪拌で11分。数字だけ見ると普通かと思っていたんですが、やってみるとけっこう忙しかったです。
さて、Bergger Pancroは平板状粒子のフィルム同様、定着時間を長めに取る必要があるそうです(恥ずかしながら新型乳剤のフィルムが定着時間長めに取ること初めて知りました。我流は怖いですね)。ということで今回、定着時間は6分取りました。

 

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現像液の廃液

今回の廃液はすべて無色透明でした。

 

いいのでは!?

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写真が少なくてすみません。あんまりプリントできなかったもので。

1枚目の写真はもう少しハイライトを強めればよかったですね。2枚目の写真を見てもらえれば分かると思うんですが、シャドウがけっこう粘ってるんですよ。そこらへんを潰す技術も必要そうです。まだ僕にはレベルが足りないフィルムという感じがします。
結論から言うと、個人的にあり、です。下馬評のような、薄い・柔らかすぎる・キャラクターがないみたいなことはないように感じます。確かに柔らかいですが、濃度はあるように感じますし、プリントもしやすそうです。それがフィルターワークのおかげなのか、Silvermax現像液のおかげなのか分からないところはありますが。ただ言えるは「このフィルムはプリントしてなんぼ」ということですね。ある程度柔らかい方がプリントしやすいですしね。データで作品にしたい、インスタでいいねが欲しいという目的の方は使わない方が良さそうです。

 またレベルが上がったら挑戦してみたいと思います。

今日の写真


Kowa Six / Kowa 85mm f2.8
Pancro 400 @ 400 in Silvermax(1+29)
11min (60 / 30 / 2) 20℃
Ilford RC Pearl 8x10inch
スキャン : GT-X980

 

今日のフィルム
BERGGER Pancro 400 白黒フィルム 120 3本

BERGGER Pancro 400 白黒フィルム 120 3本

 

 

引用

www.silversalt.jp

中判の意義

 

 

キムです。
先日、とある人に聞かれました。
「なんで、中判なの?35mmじゃだめなの?」と。
僕は「うーん」と唸ってしまって。それからちょっと考えて、今回少しですがまとめてみようと思います。

 

目次

 

キム


中判を使い始めたのは、2017年の4月からで、ここ2年といったところです。使い始めたカメラはZenza Bronica のGS-1という機種です。Zenza Bronica は66や645が有名ですが、実は67もつくっていまして。当時は「これから67つくっていくぞ!」っていう意気込みで名前をGS-1と付けて「初号機だよ。これから楽しみにしててね」ってしたみたいです。でも残念ながら後続機がつくられることはありませんでした。不遇な人生を負った子なんです。これだけで話が長く脱線するので置いといて。「やっぱりいずれ中判を使ってみたい」という漠然とした想いから使い始めました。

 

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僕は最近もっぱらブローニーばかりです。というかブローニーしか使っていない。好きな理由の一番は、「その場の空気感を全て包み込んでくれる感じがするから」です。まああくまで「感じがする」です。35mmでもその場の空気感をいっぱい含んだ写真はありますし、「そんなこと言ったら大判だろ!」って言われたら、ぐうの音も出ないですし。

 

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あとはもうロマンです。中判なんて645を抜いて、大きいし重いし硬いし。正直そういった面では35mmの方がはるかに良いですよ。でも少年の僕はそういうメカメカしいものを持っているだけで興奮しちゃうし、ロマンがあります。あの大っきなレンズとボディ、そしてフィルムいっぱいに光が飛び込んでくる感じが堪らないんですよ。

 

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そうなってくると当然、次は大判です。実は今にでも大判やりたいです。でも、今の経済力と機動力を考えるに、イマイチ活かしきれないことはもう分かりきっているんですよ。それなら今は中判で、しっかり勉強して、楽しんで、社会人になったら大判かな、と。初任給でディアドルフ買ってやろうと思います(安月給で買えるわけがない)

 

今回の写真
Zenza Bronica GS-1 / Zenzanon PG 100mm f3.5
3, 4枚目 : Portra160
1, 2, 5枚目 : Pro400H

 

いっぽ

これまでホルガを始めとして多くの中判に手を出してきたけど、今使っているのはマミヤのRB67になる。よく言われるような重い、デカイという印象とは裏腹に、持った時のバランス感によるものなのか、そこまで重たい印象を受けなかった。それよりも質実剛健な作りで、安心して気軽に使える。

以前キエフ60の修正版であるARAX60という中判6×6カメラを使っていた時期があったが、コマ間は乱れるし、謎のシャッター幕が破断するという事態に見舞われて、ウクライナに修理に出したこともあったので、それに比べたらRB67は感動するぐらい壊れない。あの時EMSでウクライナに送った時は、当時ウクライナ情勢が一番怪しい時期だったから、相当な覚悟で郵便のおばちゃんにARAX60の入った荷物を差し出したな笑 

それ以外にもハッセルとかマキナ67にも手を出した。

正直なところ中判も35mmも両方使うから、特に中判に対してこだわりがあるわけじゃない。ただ、中判は機動力がないからこそ(特にRB67は)自分が腰を据えて撮りたい時とか、撮る対象にじっくり向き合いたい時とかには、僕にペースを合わせてくれるようにゆったりと付き合ってくれる、ように感じる。感じるだけ。

デジタルでもできるよ、そういう撮り方。っていうツッコミは今回もナシよ

 

 

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今回のフィルム

 

 

 

 

 

 

 

Kodak カラーネガティブフィルム プロフェッショナル用 35mm  ポートラ400 36枚 5本パック 6031678
 

 

はじめのいっぽ

このブログの管理人であるキム君の友人のいっぽです。実はいっぽっていうのは本名で、最近になってようやく自分の名前の独特なネームセンスにかっこよさを感じられるようになりました笑

僕もほんの少し写真を嗜んでいて、写真を始めてからずっとフィルムの知識しかないし、フィルムでしか撮っていない。別にデジタルが嫌いというわけではなくて、たまたま実家にあったカメラがフォトラマ90aceっていうインスタントカメラと祖父の富士フィルムtiara、それにミノルタハイマチック7っていう宇宙にも行った名誉あるカメラだっただけのことだった。それに97年生まれの僕を両親が幼少期に写してくれた写真の殆どはまだギリギリポラだったり、フィルム写真だったりしたことで、フィルムの風合いに慣れているのかもしれない。

それまで写真を撮るという行為については全然興味がなかったんだけど、なぜか小学生の時のクリスマスの日に”サンタさん”からホルガ120をプレゼントされていた。それがまた黄色いボディでもの凄く目立つの笑 それを小柄な小学生が肩からぶら下げて、はしゃいで東京タワーに行って安っぽいホルガのボディの裏蓋をペコペコいわせながら撮ってたりと、どこに行くにも連れて行ってたのを今考えると、可愛すぎるぜ、当時の俺!ってなる。ただ親に買ってもらったブローニーのフィルムを装填して撮っていたのはいいんだけど、当時の僕には撮影後の処理が分からず、行方知らずのまま何年も経ってしまった。増上寺で撮った母と祖母のツーショットを納めたネガはどこにいってしまったのだろう。。。

そんなこんなで、机の引き出しの奥底に眠っていた小学生時代のホルガのネガを発掘したのは当時大学受験が終わって、一段落していた春休みの時期だった。この頃から日常的に何かしら写真を撮っていたかもしれない。動機は曖昧なんだけど、自分の周りから無くなっていってしまうものへの焦りから写真の記録性に依存していたのだと思う。それはもちろん当時家族のことでもあったし、何より中高時代お世話になった東横線の地上の渋谷駅が無くなって、自分の原体験が失われることへの焦りも影響していた。無くなってしまうものたちの記録をしなければと何度も何度も渋谷駅に通っていたな、あの頃は。当時オリンパスXAでも撮っていたりしていたから、その現像のついでに発掘されたホルガのモノクロネガも現像することにした。現像から上がってきたホルガのネガは殆ど写っていなかった。時間が経ち過ぎているからなのか、そもそもホルガ自体がダメだった(笑)のかは今でも分からない。でもその中で二枚写っていた写真があって、僕の部屋の窓から見た景色だった。その何の変哲も無い写真は、多分当時の僕が美しいと感じて思わずシャッターを切った一枚であったはず。

そういえば記録に囚われて写真を撮っていた時期は、楽しいというよりもむしろ焦燥に駆られていたようにも思える。ホルガで撮った写真を眺めながら、あの頃の自分がもっと純粋な気持ちで写真を撮っていたことを思うと、少し泣けてきた。いつか見た映画「パターソン」の主人公もささやかな日常の中で詩を紡ぐために、あふれる美を見つけていた。きっと僕の日常にもまだまだ見つけきれていない美しさとか心に響くものがあるはずだ。

何の写真を撮っていいのか分からなくなったり、記録という要らぬ責任感で撮ってきた今までの自分に少し喝を入れてくれたホルガは、もうどこかにいってしまった。僕にとって、写真を撮る行為のはじめのいっぽのきっかけはホルガだったのかもしれない。

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HOLGA120GCFN

 

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HOLGA120GCFN

 

Pan FとFX-39IIで歩く新宿御苑

どうも、キムです。

Kowa Sixの相棒を決めかねています…。モノクロフィルムについてです。

今回はIlfordのPan F+を詰めて、新宿御苑に行ってきました。

 

目次

 

新宿御苑は盛況


休日、撮影日に当てていた日が晴れてくれたので、新宿御苑まで出かけてみました。値上がりする前に行っておきたかったですし笑。

 

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ハクモクレンや早咲きの桜が見事に咲いてまして、大勢の方がご覧になっていました。平日にも関わらず、園内では日向ぼっこ、ピクニック、花見をしている方がいっぱいいました。

 

Pan F、そしてKowa Sixとの組み合わせ

Pan Fは割とどこでも売っている印象があります。ヨドバシやビックカメラなんかでも取り扱っているので、使いやすいですね(買いやすいかはもちろん別笑)。B&Hならブローニーは$6.09(3/15時点)で売っています。送料は高く付くにしても買う量や買い方を工夫すれば安く上がりますね。
今回はISO50に設定して撮影してきました。日が強かったので、そこまで苦労はしなかったです。僕はKowa Sixのスッとした気持ちのいいボケ感が好きです。なので、被写体にもよりますが、大体において絞りは2,3段しか絞らないことが多いです。そのため晴れている日にKowa Sixを使おうとすると低感度のフィルムしか使えません。つまり僕の場合、Kowa Sixと低感度は組み合わせ的にいいんですね。このPan Fも使っていて特にISO50で困りませんでした。

 

プロセッシング

乳剤が旧型でフィルムベースは厚めなので、やっぱり前回のRetro 80sより巻き取りやすかったです。また、乾燥が終わって取り込む時にもカールが付いていなかったです。やっぱり厚めのフィルムは取り扱いが楽ですね。
シャープさと自分の好きな粒状感を狙って、現像液は以前も紹介した、AdoxのFX-39IIを使いました。

www.film-photo-daigakusei.work

 現像後...

 

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現像液の廃液は、薄く透明度の高い黄色でした。ちょっと尿っぽい。前回の濃いお茶とはかなり違います。停止液の廃液も透明だったので、やはりそこまで濃い廃液じゃなさそうです。
定着から水洗で、色の入った廃液も出ませんでした。水洗のタイミングで色がだんだん薄くなると、「あ、もうそろそろだな」 って指標になっていいんですけどね。アクロスとかがそうですね。
ネガ自体は紫ベースです。この前のRetro 80sはかなり透明度の高いグレーでした。スキャンのしやすさは譲る感じですね。

 

仕上がりやいかに

今回は上がったネガをお店スキャンしました。ネガとスキャンデータ、あまりにも違い過ぎませんか?笑。ネガを確認する限り中間トーンも保持されていて、柔らかさも保っているんですが、スキャンデータは全体的に硬すぎます。確かにこの日は日が強かったですけど、ここまで硬くない印象です。普段お店スキャンはしないので、今回やってみて驚愕しています笑。それを前提にご覧ください〜

 

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大木で枝も地面に着いちゃっていたので、それを撮影したんですが、背景がうるさかったですね。よくわからない写真になっちゃいました。

 

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うーん、これも背景がうるさいですし、今となってはよくわからない写真になっちゃいました。残念。

 

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これだけ、激しい動きのある木だったので、その激しさを表現したくてY2フィルターを付けてみました。この日はコントラストの激しい日だったので、いらなかったですかね笑。

 

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奥に新宿の象徴ドコモタワーを置いてみました。前ボケの枝、カッコ良かったので前に置いてみたんですが、想像以上に邪魔になってしまいました。

 

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Kowa Sixの玉ボケってこんな感じなんですね。ちょっと歪んだ玉って感じですね。でもけっこうキレイです。

 

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仲良くなったおばちゃんです。紅豊という桜が好きみたいで、勝手に心の中で紅豊おばちゃんと呼んでいます。「撮ってもいいですか?」と聞いたら許していただけました。ウエストレベルで、ルーペを覗かないで撮影したんですが、なんだかんだいけました。歩き疲れて休んでいたみたいです。肌の感じがよく出ていますね。Pan Fの良さを垣間見ることができた気がします(気がする)。

 

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この写真、一回スキャンしてみて、めっちゃ黒つぶれ。ネガは潰れている感じないんですよ。それで同じ写真をもう一度スキャンし直したのがこちら。

 

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グレーなんですよ。うーん、SP-3000のスキャンと言えど精度に関しては微妙ですね。

 

まとめ

今回は、Pan F+を詰めて新宿御苑に行ってみました。その後FX-39IIで現像して、お店でSP-3000スキャン。やっぱりフロンティアの調整が入るので、スキャンも微妙だなと思いました。結局、スキャンデータはプリントするための(ないしはネガを管理するための)補助でしかないな、と。スキャンデータを本格的に利用するにはちょっと工夫が必要だし、それをするのは白黒銀塩の楽しみを知っている人からすれば本末転倒でしかないですし。ベタ焼きもあると便利ですし、単純に良いもんです。もったいないのはデータ化して微妙でそのネガが日の目を見ず、でも意外とネガ自体は良くてプリントしたらしっかり語ってくれるとき。こうなったらもったいないですよね。だからデータ化するだけでなくネガを見る癖をつけたほうが良さそうです。今回のネガも見てる感じ、スキャンデータみたいに硬すぎていないので、全然プリントも難しくなさそうです。
あー、プリントしたい笑。

 

ISO50のフィルムをコントラスト高い日に撮影して、50で現像しているので、硬調過ぎました。25で撮影・現像してもいいなと思いました。また、Pan Fの絵画的美しさを活かすにはコントラストが高過ぎたかな、とも思います。もうすこし軟調に、トーンの美しい写真が好きですし、Pan Fの持ち味を伸ばすにはそうした方が良さそうです。でもISO25のデータがSilversaltさんにも、The dev massive chartさんにもないので、自分で見つけるしかないですね笑。

モノクロームな深淵を彷徨う旅はまだまだ続きそうです。納得するネガをつくって、ニヤニヤしたいもんですね。

 

今回の写真

Kowa Six / Kowa 85mm f2.8
Pan F+@50 in FX-39II(1+9)
5.5min (20 / 60 / 4) 20℃
スキャン : Fujifilm SP-3000

 

今回のフィルム

 

 

Ilford Pan F Plus Camera Film Black and White 135/36 1 Reel

Ilford Pan F Plus Camera Film Black and White 135/36 1 Reel

 

 

 

Ilford Pan F Plus Camera Film Black and White 120 1 Reel

Ilford Pan F Plus Camera Film Black and White 120 1 Reel

 

 

まつだ桜まつりをPortra160で写す

どうも、キムです。

先日、まつだ桜まつりに行ってきました。 そこで写真を何枚か撮ってきたので、お見せしようと思います!

目次

まつだ桜まつり

JR御殿場線松田駅か小田急線新松田駅から会場である西平畑公園までシャトルバスが出ています。会場は山の中腹と言った場所なので、徒歩だとけっこう厳しいと思います。トレッキングで行く方はちらほらいらっしゃいました。そういった装備があれば、気持ちいいかもしれませんね。

2月下旬は天気が悪く、晴れた日をずっと狙い待ちしていました。この日は午前中晴れて、午後から雲が目立つようになりました。 なので、光量多い写真と光量少ない写真が分かれています。

まつだ桜まつりは去年行ってみて、本当に良くて、今年もリピートです笑。 河津桜と菜の花、小道いいもんです。カメラマンがうじゃうじゃいました。

town.matsuda.kanagawa.jp

レッツゴー

まつだ桜まつりってこんなイメージ

河津桜と菜の花、この建物が僕の中では割と「まつだ桜まつり」のイメージです。

イメージ2

この小道の感じも「まつだ桜まつり」っぽいです。確かここは菜の花祭り?だかで、菜の花がメインの場所だったと思います。

問題の写真1

背景の河津桜をボカしているんですが、こんな色ありますかね?笑。
蜂さんがしっかり映ってくれたのに!なんてこった!

問題の写真2

この写真もそうなんですよね。 菜の花に桜が乗って可愛かったのに!なんてこった!

これ、何が原因なのかよく分かりません。うーん。

立ち入り禁止

この写真、お気に入りです。曇っているときのPortraの写り、けっこう好きなんですよね。光量多く取ってあげるのもいいですし、絞って撮ってあげるのもいい味出てくれて、やっぱりPortraは有能ですね。

満開

菜の花と桜をバックに、いい笑顔です。ごちそうさまでした。

Kowa SixでPro160NS、Portra160と来たので、次はPro400Hですかね。 今日はゆる系でした〜 ではまた!

今回の写真

Kowa Six MM / Kowa 85mm f2.8 / Portra160

今回のフィルム

The Darkroom Internationalでプリントしてきた

どうも、キムです。
 
現像に続き、The Darkroom Internationalでプリントしてきた話を今回はしようと思います。
 
 目次

 

プリントあれこれ
プリントは、大学の暗室でも良いんですが、設備なんかは断然レンタル暗室の方が良いです。
The Darkroom Internationalさんに行きました。

thedarkroom-int.com

ここの初心者講習会で僕は暗室デビューをしました。
The Darkroom Internationalさんは本当に設備が揃っています。そして純粋にプリントをするだけでいいので、思う存分プリントできます。
もちろん自分の懐と要相談ですが笑。
講師の方もいらして相談もできるので、刺激的なプリントを楽しめます。
 
今回は、友人が暗室デビューということで、連れて行きました。
彼が初心者講習会で、僕は通常の暗室利用という形です。
彼も面白いので、このブログに出てくると思います!
 
講師の方に教えていただいたんですが(僕もちょっと初心者講習会みたいになった笑)、6x6って真ん中にプリントすると下がって見えるんですね。
人間の錯覚ということになると思うんですが。いかに真ん中に置いても下がって見えるらしいですね。
それで6x6をプリントする際は、上側にプリントして、下に余白をつくるんだそうです。
 
講師の加藤さんにもお手伝い・アドバイスをいただきながらいくつかプリントしてみました。
 

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左 : 僕 / 右 : 加藤さん
この写真、右上に横の枝が入り込んでいました。
撮影した時には気づきませんでした。それでプリントするときにいらないので、加藤さんに相談しました。
はじめ、僕が取ろうとした作戦はトリミングです。そうすれば物理的に右上の枝は映りません。
しかしそうすると左か下が詰まることになるので、画に広がりがなくなり、写真として微妙になることが想像できました。
そこでいただいた助言は「覆って、目立たなくする」方法です。
覆って隠すことは簡単なのですが、目立たなくするということがミソですね。
曇り空で背景の白は微妙に色が付いているので、もし完全に余計な枝を隠すと「なんでここだけ真っ白なの?」となるわけです。
それで、加藤さんが試しにつくってました。まず枝の部分だけ覆って、焼き込み。そのあと、絞りをf22まで深くして、拳で中心部を隠して、左上・中央上部少し・左上を焼き込みを加える。そうすると、確かに全然目立たないんですよ。技術力とか知識ってこういうことですね。
でも加藤さん曰く、おすすめはしないし邪道。粒子感がなくなるから見る人見れば変だと見破られる、とのことです。深い世界だ。
自分で写真をつくる。これがやっぱり銀塩写真の楽しみですよね。
 

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額に入れてみた
¥500くらいの安い額なんですけど、やっぱり額に入れるとまたいいですね。
チラチラ見てはニヤニヤしています笑。
 
またプリントしに行きたい。いいネガを溜め込んで、印画紙を買ったらまた行こうと思います。
The Darkroom Internationalさん、おすすめです。
 
こんな感じでつくってみました。
木肌
f11 / 3号 / 2.4sec
 
噴水池
f11 / 2.5号 / 3.3sec
 
いかがですか?

 

 

 

The Print (Ansel Adams Photography)

The Print (Ansel Adams Photography)